“社会を明るくする運動” 〜犯罪や非行を防止し、立ち直りを支える地域のチカラ〜
すべての国民が犯罪や非行の防止と罪を犯した人たちの更生について理解を深め、それぞれの立場において力を合わせ、犯罪や非行のない明るい社会を築こうとする全国的な運動です。令和4年で72回目を迎えます。
〜第72回”社会を明るくする運動”では、「#生きづらさを、生きていく。」をテーマにしています〜
小さい頃から、私と世界を隔ててきた”生きづらさ”。
世界は私の全てを拒絶した。
独りでもがいて、自分も周りも傷つけた私が
保護観察になったのは、高校をやめたとき。
言葉にならない思いは、あふれて、止められない。
その人は、私の”生きづらさ”に触れることなく
でも包み込むように言った。
ーー大丈夫。世界は広くて、温かくて、
私もいるんだから、きっと大丈夫。
”生きづらさ”の向こうにあった世界が、少しだけ近く見えた。
私を拒んできた世界は、私が拒んでいた世界。
その人の言葉が、私と世界をつないでくれた。
だから今。今度は、君に伝えてる。
ーー大丈夫。世界は広くて、温かくて、
私もいるんだから、きっと大丈夫。
昨年来、新型コロナウイルスは、日常生活に大きな影響をもたらしました。当たり前であった人との触れ合いが難しいものとなり、望まない孤独や社会的孤立が生まれ、その孤独・孤立によって、各々の中に伏せられていた"生きづらさ”が浮き彫りになりました。
そのような中で行われる第71回"社会を明るくする運動”。
難しいときにあって、求められる"明るさ”とは何だろう、これが一番の課題でした。
更生保護に携わる人にとって、立ち直ろうとしている人たちの"生きづらさ”に触れる場面は、決して少なくありません。立ち直ろうとしている人たちの葛藤を目にするとき、社会がどんなに発展しても、立ち直ろうとしている人たちが抱える生きづらさそのものがなくなることは、ないかもしれない、そう思うことがあります。しかし、生きづらさは消えないけれども、立ち直ろうとしている人たちが、更生保護に携わる多くの方々に支えられながら前に進んでいく、という長い間続いてきた営みがあります。
この営みは、特に、コロナ禍という時代にあっては、立ち直ろうとしている人たちに限らない、誰もが自然と求める営みなのではないか、難しいときだからこそ、誰もが乗り越えることのできない生きづらさを抱えながら、そして、だからこそ人に頼り、支えてもらいながら「生きづらさを、生きていく」ことが大切なのではないだろうか、そのような思いでテーマにしました。
〜地域の力が犯罪や非行を防ぐ〜
テレビや新聞では、毎日のように事件(犯罪)のニュースが報道されていますが、安全で安心な暮らしはすべての人の望みです。
犯罪や非行をなくすためには、どうすればよいのでしょうか?
取締りを強化して、罪を犯した人を処罰することも必要なことです。しかし、立ち直ろうと決意した人を社会で受け入れていくことで、犯罪や非行をする人を生み出さない家庭や地域づくりをすることもまた、とても大切なことなのです。
立ち直りを支える家庭や地域をつくる。そのためには、一部の人たちだけではなく、地域のすべての人たちがそれぞれの立場で関わっていく必要があります。“社会を明るくする運動”では、犯罪や非行のない地域をつくるために、一人ひとりが考え、参加するきっかけを作ることを目指しています。
〜あなたもできることから始めてみませんか〜
”社会を明るくする運動”では、街頭広報、ポスターの掲出、新聞やテレビ等の広報活動に加えて、誰でも参加できる様々な催しを行っています。イベントに参加したり、このホームページを見たりしたことなどをきっかけにして、犯罪や非行のない安全で安心な暮らしをかなえるためいま何が求められているのか、そして、自分には何ができるのかを、みんなで考えてみませんか。
令和4年12月26日(月)、ホテルニューオータニ佐賀において、御来賓の御出席のもと、受賞者、その御家族、学校関係者、更生保護関係者が参加して、第72回"社会を明るくする運動”作文コンテスト表彰式が開催されました。
今回は、県下から2,677点(小学校1,806点:中学校871点)の応募がありました。今年も多数の御応募、誠にありがとうございました。
式では、日本更生保護女性連盟会長賞(全国)の表彰に続いて、小学校、中学校各6名の皆さんの佐賀県”社会を明るくする運動”最優秀賞(佐賀県推進委員会委員長賞)及び優秀賞(佐賀保護観察所長賞、佐賀県保護司会連合会長賞、佐賀県更生保護協会理事長賞、佐賀県更生保護女性連盟会長賞、佐賀県BBS連盟会長賞)の表彰が行われました。また、応募作品多数の小中学校に対して、感謝状の贈呈が行われました。
最優秀賞受賞作品につきましては、小・中学校各1作品全文が、1月中に佐賀新聞に掲載される予定です。
***来年度も、多数の応募をお待ちしております***